具体的な死の病
今日は家族と叔父さんのお見舞いに行ってきた。
末期の肺癌だ。
もともと痩せ型のおじさんだが、20キロ落ちたということでとってもちいさくなっていた。
「今日は調子がいいのよ」と、叔母さんも従兄弟も言っていた。
声も通っていたし、顔色も良かった。
極端に痩せたという以外、病気には見えないくらいだった。
剛毛だった叔父さんの髪の毛が真っ白に薄くなって、
どちらかというと「オトコ!」っていう雰囲気だったのが妙に上品になってしまった。
「教授、っていうか、名誉教授ってかんじ!」と、勝手にあだ名をつけた。
誰も何も言わないけど、もうあんまり長くはないのだろうと思う。
男っぽい普通のおじさんだったKさん、
印象的だったのは目だ。
あんな子供みたいなあっけらかんとした目、してなかったはず。
なんだろう。
具体的な死を受け入れつつある人だけのものなんだろうか・・・・・
そんなことを思った。