映し出す・・・・

ほぼ毎日のようにせっけんを作っている。
「これはわりとよく売れるから早めにやんなきゃ」
とか、
「もうハーブが染まっちゃってる、オイルが酸化しないうちに作らないと」
とか、
「シャンプー用がこんなに出るなんて!あたしの分が無い!」
とか、
「これだけは一度やってみたかったんだよね」
とか、
「どーしてもあの色のが作りたい」
とか。
義務と必要と欲求と全部消化しようとすると一日にいくつも作れないのがはがゆい。
しかも4週間の間は熟成待ち。ただ待つだけ。


ああ、でもなんだか、こうやって熟成中のかれらを眺めていると、
これも、また、「自分を映し出す鏡だなあ」と。
絵なんかはもろだけど。
決まったことを決まった手順でやっているのに、雰囲気がひとつひとつ違う。


昨日型出ししたせっけんを見て、これはなんだかいいつもと違う。
はっ、と息を呑むような清らかな美しさを宿している。
それを見て何故か思う、
「私はなんだか何に対してだかよくわからない依存心を手放したんだな」


「あ、やば、ごめん、私のせい」
「いいよ、たいしたことじゃないよ」
って、許されたり、(なんか憎めないキャラらしい)
自分でも、それはないでしょ?、ってことを簡単に自分に許してしまう。
そういう甘えに気づく。
気づくと、もう、手放しかけている。


世の中にはへんなひとがたくさんいる。
コンビニなんかでバイトしてるとよくわかるんだけど。
荻窪の駅近くのコンビ二はすごい忙しかった。
そんで、一人、宅急便の常連おばさんがいた。


ごく標準的なサイズのダンボールを抱えてやってくる。
どさっとカウンターに置く。
あふれるほどいろんなものが詰まっていて、
しかも、ガムテープで止めていない、いつも・・・・・
「ちょっとガムテープで貼って、これ出しといてね」
記入済みの伝票と代金をぽん、っと置いて、とっとと帰ってしまう。


「あの人いつもこれなのよ」
と先輩店員か言う。
あふれんばかりのそれは、一人が押さえ込んで、もう一人がガムテープを貼り付けて、
二人がかりで奮闘しなきゃなんない。
なんなんだよ忙しいのにもう・・・・・
「あたし、いつか、ガムテープならあちらの棚にありますからどうぞ。
 って言ってやりたい!」
と先輩が言う。
「あはは」と笑ってしまったが、先輩が変な顔をした。笑うところでは無かったらしい・・・・・(わたし、時々空気が読めません)


何の話だよ。
だからネットせっけん屋につながるんだよ。
やっぱりよくわからん人がいるよね・・・・・・
しかし、今は新規のお客さん、逃したくない。
だから本来不本意なことにすごいストレスを感じちゃうとこなんだけど。
ただただ平謝りのメールを書く。何故か半ば楽しんで。だめでもともと。また来たらラッキー、って賭けでもするように。
そうすると以外にリピートしてくれたりする。
へーーーーーーーーー。そんなもんかね。
OL時代には謝ると付け上がる客が多くて屈辱の日々だった記憶があるんだけど。


たぶん、最近の若い人の傾向なんだろう。
常識が無い、他人への配慮に欠ける、だけど、その質は子供と同じ。
あきれるほど純粋。
「ああいえばこういう」タイプの人が減ったのはいいけど。
そんなに簡単に納得していいのか???
と、日本の将来を憂うおばさんになっちまうですよ・・・・・
年齢記入が無くても名前でわかるんだよね、ある程度の年代が。
「なんて読むんだ?この名前???」30歳以上ってことはまずない、と。


だからなんの話だよ。
せっけんが自分を映し出す鏡になってるなあ、ってことを書こうとしてたんだよ。
無意識のうちに、とても集中して無心で作っている時、
そんな時に出来上がるそれは、とっても美しい・・・・
おととい、また天使カラーをやりたくて、
ほんとは#44守護天使の予定が、
やっぱせっけんの生地がクリーム色だからブルーが出にくいんだよ。
今のレシピでみずいろは無理なんだな。
青を少しづつ入れるが緑色がかってる。
予定変更。
ラツィエルさんにしましょ。
ミスティーぺーるライラック+ミスティーペールオリーブグリーン、
グリーンはオリーブがかってないけど、まあいいや、きれいだから。
だからそうなの、これ、型だしして、息を呑んだ。
いつも、わたしのせっけんはかわいいの。
食べちゃいたい!って感じなの。
それが、美しいの、すっきりと。
ちょうどすりガラス越しに見えるようなミスティーカラー。
オリーブになりそこなったペールグリーンはクールなグリーン。
真夏の朝もやのような2色。
私からこういう色が生まれるなんて。
何の迷いも無く色付けしていた、確かに、その日は。



何かが誕生しました。
HAPPY BIRTHDAY!