だいじょうぶなんだな

「かかわらないように」生きることが今の風潮で。
不思議なもんだ。
わたしが生まれたばかりの頃、おにいさんやおねえさんたちは「学生運動」なんてことをやっていた。そんな時代もあったらしいけれど。
わたしたちの世代は若い頃「新人類」なんて言われた。
確か、社会人として成熟する気持ちに欠けて自分個人の楽しみを優先する、そんなニュアンスだったと思う。
大人になりたくない、そんな世代だったんだろう。
私たちの子供にあたる世代はどうやら、大人どころか幼児のままだ。
純粋でいい子が多い。
でも、なんだか可哀相なくらいの恐怖を抱え込んでしまっているようで・・・・・。


「かかわらないように」
私が子供の頃、こんな言葉はこんなに頻繁には使われなかったと思う。年月とともに重くのしかかってくる。
「かかわらないように」


ここに越してきて5年位か。
小さなニュータウンの中を歩いていると、大人も、子供も、みんな「おはようございます」「こんにちわ」って声を掛け合っていた。
都市部にしか住んだことの無かった私にはすごく新鮮で、いいもんだなあ、って感じてた。


その子供たちの声がぱったりと消えた。
どこか郊外の似たような住宅街でのあの殺人事件以来、ほんとうに静かになってしまった。
自分の子供を殺して、それをごまかすためにその子と仲の良かった他の子供を殺した母親。


ごくたまに、集団下校している小学生の列とすれ違うとき、
一人だけ、ものすごく大きなボーイソプラノ
「こんにちわーー!!」と、言ってくれる子がいる。
たいてい、他の子供たちより小柄でランドセルが歩いてるような男の子。
私は負けないくらいの大声で応える。
「こんにちわーーー!!!!!」


きっとすぐにそんな子もいなくなるってしまうよね。


でも、この世を憂う気は無い。
何かがおわってしまったなら、
新しい何かが始まるんだ。
郷愁にふけっている暇なんかない。
準備ができていないと気づいた時にはきっともう遅くなっている。
それがなんなのか、どういうものか、
わかってしまっているような気が私にはする。
良くも悪くも変わるのだ。


”この世の中で普遍なものは変化するということだけです”
どれだったか忘れたけどイクイリブリアムボトルのアファメーションだ。



大勢と異なったことを発するたびに、
過剰反応と無視とややこしい嫌がらせ。
何故私の発した言葉の間違いを指摘しないんだろう?
「それは言いすぎだ」
「傷つきました」
そして、
「人は人、自分は自分だから別に嫌なやつがいたってしょうがない」
ってとこに行き着くだけ。
「人は人、自分は自分」
それなら初めから他人の発言なんか無視すりゃいいじゃん。
言うだけ言っといて、「人は人、自分は自分」で終わる。
でもそれがこの国のルールなんだってこと、もちろん知っている。
「人は人、自分は自分」
何故そこで終わるのか????
「人は人、自分は自分」
これは当たり前のこと。
だからこそ、
ここから全ては始まっている

って、
どうして気がつかないのだろう?


常識なんかくそくらえ。
長い年月とともに育まれてきた洗練された常識には頭を下げて従うけどね。


無視せずにひどい言葉をわざわざ言うのは私のひたむきな誠実さ故のこと。
それを感じ取れる人しか私の周りには寄り付かない。
だから大丈夫なんだよ。


「下手にかかわると何されるかわかんない世の中だよ」
そうかもしれない。
でも、私は痴漢にあうたびにひっぱたいたり殴ったりどなったり、他の女の子がされているのに気づいたらわざと大声出して「みなさ〜〜ん、この人痴漢ですよ!!!」
もう、むちゃくちゃ強い、そんな時は。


でも、刺されもしなきゃ、殴られもしない。
「何言ってんの?頭おかしいんじゃない、あんた」
どいつもこいつも必ずこのせりふを吐くんだから笑える。


陰湿な人間というのは、勇気なんか持ち合わせて無いんだってこと、私は良く知っている。


もし私が恐ろしい目に遇うのだとしたら、それはきっと「今までの私」を変えてくれるギフトとして受け入れましょう。
まあ、殺されたらなんにもならんけどね。




「右のほほをぶたれたら左のほほを差し出せ」
ほんとうはこれが一番強いちからなんだけどね。
この意味の一般の解釈は間違っている。
自己犠牲??そんなんじゃないよ。
それなりにしたたかな生き方なんだよ。
右のほほをぶったら、相手は逃げるかぶちかえすか、ってそう思う、咄嗟に。
そんなときに
「じゃあ、こっちのほほもぶってくださいな」
なんて言ったら、
気持ち悪くて相手はひるむんである。
で、ひるんだ隙に殺しちゃえばいい・・・・のかもしれないし????
私はクリスチャンの方々の妙なしたたかさと上から目線が好きじゃないので、左のほほなんか差し出してやんないの!

そんでいいの。
そうやってないと息が苦しくて死にそうになる。


日本人はみんな結局は我慢が好きで、
精神的な糞詰まりで苦しいんだよ。

糞して寝ろ!

よく出来た言葉だ。
誰が最初に言ったんだろう?
尊敬しちゃうね。
たぶん、立川談志みたいな人だろうね。